お墓にゆらめく灯籠の灯り。パチパチと弾ける花火の音。怪談ではありませんよ、新上五島町のお盆(8月13日〜15日)のすがたです。
夕暮れにお墓の前に灯籠を建てると、近所の子どもたちが集まってきます。私も子どもの頃は、親戚のおじちゃんにもらったお小遣いを握りしめて、兄妹で近くの駄菓子屋さんに花火を買いにいきました。私は手持ち花火が好きで、男の子には派手なロケット花火や爆竹が人気でした。灯籠のろうそくが消えるまで、1時間ほどのお楽しみ。今は68歳になる叔父からも「子どもの頃からやってたヨッ!」と聞いたことがあります。はしゃぐ子どもたちの姿を、ご先祖さまたちは毎年目を細めて喜んでくださることでしょう。
ご近所同士でお墓にお線香をあげたり、父の友人が「お盆で似首(にたくび)に帰ってきたけん、寄ったよ」と顔を見せてくれたり。父を見送って、二人の娘を巣立たせた今、しみじみといい習わしだなあと思うようになりました。(こ)
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